事業内容の説明

事業の内容等

(1) 事業の趣旨・目的等について

2020年4月、新型コロナウイルス感染症拡大防止による緊急事態宣言により、教育機関は臨時休校となったが、多くの専門学校が在宅でも学習ができる遠隔授業を行った。遠隔教育は、感染症の長期化や疫病、災害が発生した際に、学習を止めずに提供できる教育の方法として期待されている。

 一方で、遠隔教育の課題として、教員からは、「実習・実技の実施が難しいこと」「モチベーション維持やフォローの方法が未整備」などが挙げられ、学生は、「理解しにくい」「相互のやり取りの機会がない」等を挙げている。

 本事業では、課題を解決のため、情報系専門学校を対象に、講義やプログラム実習・実技、グループワーク等の授業を遠隔で行うモデルを、先端技術を活用して構築する。授業の形態に応じて、Web会議システム、ボイスチャット、XR(VR・AR・MR)、センシングや出席管理ツール等を複合的に用いて、体感型双方向遠隔教育モデルを構築する。業界団体や企業、専門学校と連携し、学生フォローの方法やコスト・費用、在宅学習が長期化した場合の学生間の交流の設計等、学校運営上、持続可能であり、疫病や災害時でも、質を落とすことなく職業教育を継続できる遠隔教育導入モデルを構築・検証をする。

(2) 当該モデルが必要な背景

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2020年4月の緊急事態宣言で対人接触や移動が制限される中、多くの専門学校は一定期間の休校措置を取った。休校期間中、学習を止めないため、遠隔授業を実施した。(令和2年5月11日時点で1230校が遠隔授業を実施)

 一方で緊急事態宣言が解除された後には、対面授業や対面と遠隔授業との併用など何らかの形で対面授業を実施する学校が多くなった。令和2年度後期授業ではオンライン授業の割合は、「まったくない」36.7%、「半分以下」34.8% で ほとんどがオンライン授業だった割合は、8.7%で1割に満たない状態であった。

 コロナ禍により取り組みの進んだ遠隔授業であるが、教員からは①学生の通信環境に関する対応、②教員の能力により差が出ること、③対面授業に比べ教員の負担が大きいこと、④出席管理や学習評価の方法が確立していないこと、⑤遠隔授業では行えない内容があること、⑥学生のモチベーション維持や学生フォローの方法が確立していないことなどの課題が挙げられている。また、学生からは、「対面授業より理解しにくい」「質問等、相互のやり取りの機会がない・少ない」「友人などと一緒に授業を受けられない」等の意見があった。

 本事業では、遠隔教育の課題を解決するため、「センシング」「AR/VR」「CBT」「LMS」「Web会議システム」などの先端技術を複合的に利用して、講義、実習・実技、グループワーク等の授業を遠隔教育で行うモデルを研究実証し、質を落とすことなく学習を提供できるようにするための遠隔教育導入モデルを構築する。

 遠隔教育の課題に対応し、今後さらに対人接触や移動が制限される状況や疫病、災害等になっても学習を止めず、質を落とすことなく学習を継続できる仕組みの導入や構築は、専門学校における職業人材の養成にとって重要かつ必要な取組みである。

情報系専門学校では、コロナ禍の休校期間において、多くの学校が遠隔で授業を実施したが、講義授業はWeb会議システムや映像配信での実施が中心であった。実習・実技の遠隔授業は、一部では行われていたが、実施方法が標準化されておらず、教員のスキル等、担当教員への依存度が高く、誰もが同様の遠隔授業を行える状態にはなっていないのが現状である。多くの学校では、実習・実技等は、感染症対策を十分にした状態での対面授業での実施を選択している。疫病や災害時に質を落とすことなく職業教育を継続するためには、専門学校の特徴でもある実習・実技の遠隔授業実施方法の構築が必須である。

 本事業の遠隔教育導入モデルの構築は、前提として疫病や災害等で学校に通えない状況において、フルリモートの環境で実習・実技の遠隔教育実施も含めたモデルを想定している。通常時、対面授業・遠隔授業のそれぞれのメリットを活かして教育を実施すればよいが、コロナ禍のような疫病や災害等により、長期間休校せざるを得ない状況でも学習を止めることなく、教育の質を落とすことのない職業教育実施が求められていると考えるからである。

 近年、情報技術の急速な進歩により、ビッグデータ、人工知能、ロボット、IoTといった情報技術が社会システムの中へ実装されはじめていた。2020 年以降、コロナ禍により、非対面・非接触があらゆる社会活動において求められ、先端のデジタル技術が急速に進展した。これまで高額であったデジタルツールやシステムが比較的安価に、容易に利用できるようになり、オンライン上でできる教育も様々なことが実現可能となった。本事業では、通常行われている講義、実習(個人)、実習(グループワーク)を遠隔授業で行うための先端技術のツールの種類・使用方法・使用機能などを整理し、遠隔授業モデルとして取りまとめる。先端技術を複合的に用いて遠隔授業を構成するため、実証には操作・使用方法などに慣れていることが重要である。このため、教員・学生ともにデジタル技術を比較的使い慣れている情報系専門学校の授業を対象にモデルを構築する。遠隔授業導入モデル構築とともに、情報産業の企業では、リモートワーク等が進んでおり、就職先によってはフルリモートで業務を行う可能性もあるため、学生のオンラインでのプログラム共同開発や遠隔コミュニケーション、ツールを使いこなす能力も養成する。また、構築する遠隔教育導入モデルは、教員の操作スキル等の向上が必要ではあるが、情報系以外の専門学校においても活用可能なものを想定している。

 本事業におけるフルリモートを想定した遠隔教育導入モデルでは、授業実施に加え、休憩時間等における雑談や友人・教員・講師等との情報交換やその他の交流等をオンライン上に設計する。コロナ禍のオンライン学習期間に「友人ができない」ことが課題として挙がったが、SNS等で、オンラインのみでの交流も経験している世代が「友人ができない」のは機会や場が設計されていないからである。通常時は、様々な場面で学生同士の接触があるが、オンライン授業ではその機会が極端に少ない。本事業では、学生間、学生教員間等の授業時間以外の交流を促進するため、企業と連携しリモートワーク等で社員間のコミュニケーション円滑化に効果のあった方法等を参考に、先端技術を用いてオンライン上に教室・実習室・相談室、休憩室等を設置し、学生間・学生教員間等のコミュニケーションの円滑化を図るとともに、オンラインによる学生フォローの仕組みを検討・構築する。学生の悩みや学習相談への対応を通して孤独感や疎外感、不安感を払拭し、授業への参加意識、学校・学部・学科・クラス等への帰属意識が醸成され、学習モチベーションの向上が期待できる。

 本事業では、対面と遠隔授業で同様の講座を実施し、比較することでメリットや教育効果を検証する。また、遠隔教育を実施するためのコストを明らかにし、学校運営において持続可能なモデルであるかを検証する。本事業で構築する、遠隔教育導入モデルは、疾病や災害時または、学生が入院している状態や遠隔地にいる場合等、遠隔教育のメリットを活かして質を落とすことなく職業教育を提供し、継続してゆくために必要不可欠な取組みであり、かつ重要である。

(3) 遠隔教育の導入方策とそのモデル化の概要

●講義遠隔授業

使用する機器:
学校側:パーソナルコンピュータ(2~3台)、プロジェクター、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境、360度カメラ
学生側:パーソナルコンピュータ(またはタブレットPC)、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境、(AR利用時スマホ)
               ※通信環境が十分でない学生は、学校の空き教室・Wi-fi環境を使用して受講

ソフトウェア:
パワーポイント、Discord、zoom、Slack、アイトラキングツール、出席管理ツール、テスト配信システム、ARアプリ等、他

導入範囲:
講義中心の授業(本事業では情報処理の基礎科目から選択)
※情報処理の基礎科目の講義授業を遠隔授業で実施して、講義遠隔授業モデルとして検証する。構築されたモデルは、教育課程で実施する他の座学での検証を含め、導入・活用する。

方法:
協力専門学校学生を対象に遠隔授業、対面授業それぞれで学習するグループに同一内容の授業を実施し、比較から教育効果等を検証する。
●講義遠隔授業 想定している方法

  • Web会議ツール
    講師およびパワーポイント資料または講義している教室の映像をライブ配信
  • ボイスチャット
    音声配信、録音(Web会議ツールは参加者全員に音声が届くが、ボイスチャットは特定の相手 のみと会話が可能であり、個人別に音声の記録ができるため)「discord」などを想定
  • Webコミュニケーションツール
    資料配布、連絡「Slack」などを想定
  • アイトラキングツール
    授業時の学生の視線をトラッキング、講師は、リアルタイムでモニターし、学生の状態を把握しながら、休憩、小テストや発言を促すタイミングを計る(トラッキングデータは分析を行うデータとして記録する)  WindowsのTobii などを想定  
  • 出席管理ツール
    アイトラキングと連携した出欠管理を導入する。zoom等のWeb会議ツールの入退出ログとアイトラキングにより、出席管理を行うことを想定。(オンデマンド配信についてもWeb会議ツール使用で対応を想定)
    ※入室後、音声・ビデオをオフの状態にすると離席等の把握ができないため、入退室ログとアイトラッキング、テスト回答等を併用して対応

■アイトラッキングと出席管理ツール(Web会議システム・LMS等)の連携による出欠状況の把握と確認について
出席管理ツールでは、遠隔授業の入退出の記録しか残らないため、入室後、遠隔授業を視聴せずに別の作業や外出をしても確認することが出来ない。アイトラッキングツールを併用して、出欠管理ツールの入退出の記録に紐づけて視線データを記録することで、出欠の正確な確認ができるようになる。また、視線データをリアルタイムで表示し、視線が外れている学生への声掛けや指導に活用することにより、授業の緊張感や臨場感等の体感を向上させるとともに、学生の授業参加状況の把握ができる。

  • 音声-テキスト変換ツール
    授業時の講師の音声をテキストに変換し、オンデマンドのビデオに挿入し復習や欠席者フォローに使用する。また、授業時のすべての会話をテキストに変換し、データとして蓄積する。(将来的にテキストマイニング等 解析を行う元データとする。本事業では解析までは実施しない)MS-word、googleドキュメント等を想定 
  • テスト配信システム
    授業の途中の小テスト、授業終了時の確認テストの配信を行う。(回答がデジタルデータ処理できるもの、Web会議ツールの機能の活用を検討する) zoom、googleフォーム等を想定    
  • リアルタイムARアプリ
    講師や説明に必要なものなどが自宅や講座を視聴している場所に存在するように演出する。スマホ画面に表示することを想定しているが、ARグラス等を利用すれば、よりリアルな体感が得られる。アプリを開発予定

時間数:
10時間程度(実施する遠隔授業実証講座の時間数)
※学科における講義科目全体の時間数 約720時間(2年課程の時間数)   
※授業実施方法の違いによる、学生モチベーションの変化を分析 また、授業以外での学生フォローの在り方も検討する。
※効果的な遠隔授業の方法を精査し、対面授業と変わりない教育効果を得られる遠隔授業の実施方法を学生の学習達成度等で分析する。

●実習・実技(個人・グループ)遠隔授業

使用する機器:
学校側:パーソナルコンピュータ(2~3台)、プロジェクター、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境、360度カメラ
学生側:パーソナルコンピュータ(またはタブレットPC)、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境、(AR利用時スマホ)
       ※通信環境が十分でない学生は、学校の空き教室・Wi-fi環境を使用して受講

ソフトウェア:
Discord、zoom、Slack、リモートデスクトップ機能、オンライン実行環境、開発プラットフォーム、出席管理ツール、ARアプリ等、他

導入範囲:
実習・実技の個別指導・グループでのプログラム実習の授業(本事業では情報処理の基礎科目から選択)
※プログラミング実習を遠隔授業の実習・実技の実施モデルとして構築する
 構築されたモデルは、教育課程で実施する他の実習・実技での検証を含め、導入・活用する

方法:
協力専門学校学生を対象に遠隔授業、対面授業それぞれで学習するグループに同一内容の授業を実施し、比較から教育効果等を検証する。

●遠隔授業 想定している方法

  • Web会議ツール
    講師およびパワーポイント資料または教室の映像をライブ配信。
    ※グループ実習実施時は、zoomのブレイクアウトルームのようにグループごとに区切った会議室で実施
  • ボイスチャット
    音声配信、録音(Web会議ツールは参加者全員に音声が届くが、ボイスチャットは特定の相手のみと会話が可能なため)「discord」などを想定
  • Webコミュニケーションツール
    資料配布、連絡「Slack」などを想定
  • 出席管理ツール
    zoom等のWeb会議ツールの入退出ログで把握する。
    ※グループ実習時、入室後、音声・ビデオをオフの状態にすると離席等の把握できないため、アイトラッキング等を併用して対応

■アイトラッキング等の併用による出欠確認について
Web会議システムやLMSのアクセスログに紐づけて、アイトラッキングのデータを保管し、出欠記録とするとともに、視線データをリアルタイムで表示し、授業時間中に5分以上視線が画面から外れている学生について、講師や教員にアラートで知らせる等、学生の出欠状態を把握・確認できる仕組みを想定している。

  • リアルタイムARアプリ
    講師や説明に必要なものなどが自宅や講座を視聴している場所に存在するように演出する。スマホ画面に表示することを想定しているが、ARグラス等を利用すれば、よりリアルな体感が得られる。ARアプリを開発予定
  • リモートデスクトップ機能
    学生のPCを遠隔で講師が操作することができる機能で、個別実習・実技はすべてこの機能を用いて実施する。講師が横に居て直接指導している状況が再現できる。Windows機能または、googleChromeリモートデスクトップの使用を想定
  • 開発プラットフォーム
    実習にオンライン上の開発プラットフォームを利用、パソコンの環境設定などが不要であるため授業の効率向上のため使用をする。Githubなどを想定
    ※開発プラットフォームとは、ソースコードやファイルの階層構造などの変更履歴を記録・追跡するためのバージョン管理をする仕組みと変更の許可、及び開発のために必要なツールや公開されているソースコードを利用するための共通基盤となる標準環境である。最新のソースコードとともに、以前のソースコードも記録され、作業分担ごとの進捗やプログラムの変更履歴が明確になる。また、ソースコードは、プログラム言語や対応するOS等に関係なく、保存管理ができる。ソースコードや階層構造・階層内のファイルの変更などは、レビューして承認を得なければ反映されない仕組みで、複数の人間がかかわるソフトウェア開発では、特に必要なプラットフォームである。
  • オンライン実行環境
    実習・実技で学生が作成したプログラムを実行する環境。Web上の実行環境を想定

時間数:
個人実習 1人15分程度の指導 3時間×2日間程度
グループ実習 5時間×2日間程度
(実施する遠隔授業実証講座の時間数)
※学科における講義科目全体の時間数 約540時間(2年課程の時間数)   
※授業実施方法の違いによる、学生モチベーションの変化を分析 また、授業以外での学生フォローの在り方も検討する。
※効果的な遠隔授業の方法を精査し、対面授業と変わりない教育効果を得られる遠隔授業の実施方法を学生の学習達成度等で分析する。

●グループワーク遠隔授業①(VR・MR・AR等を使用しないグループワーク)

使用する機器:
学校側:パーソナルコンピュータ、プロジェクター、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境、学生側:パーソナルコンピュータ(またはタブレットPC)、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境、
※通信環境が十分でない学生は、学校の空き教室・Wi-fi環境を使用して受講

ソフトウェア:
パワーポイント、Discord、zoom、Slack、アイトラキングツール、出席管理ツール、オンラインホワイトボードツール等、リアルタイムARアプリ等、他

導入範囲:
PBL・アイデアソン等グループワークの授業(情報処理の基礎科目から選択)
※システム開発のアイデアソン等の内容を想定
 構築されたモデルは、教育課程で実施する他のグループワーク・ディスカッションの授業での検証を含め、導入・活用する

方法:
協力専門学校学生を対象に遠隔授業、対面授業それぞれで学習するグループに同一内容の授業を実施し、比較から教育効果等を検証する。
●グループワーク遠隔授業① 想定している方法

  • Web会議ツール
    講師およびパワーポイント資料または講義している教室の映像をライブ配信
    zoomのブレイクアウトルーム等、グループワーク時はグループごとに会議室を用意でき、一括に管理できることを想定
  • ボイスチャット
    音声配信、録音(Web会議ツールは参加者全員に音声が届くが、ボイスチャットは特定の相手のみと会話が可能なため)「discord」などを想定、音声はリアルタイムでテキスト化、講師が確認できる状態にして、学生の参加状態の状況、グループワークの状態を把握し指導できるようにする。
  • Webコミュニケーションツール
    資料配布、連絡「Slack」などを想定
  • アイトラキングツール
    授業時の学生の視線をトラッキング、講師は、リアルタイムでモニターし、学生の状態を把握しながら、休憩や助言のタイミングを計る(トラッキングデータは分析を行うデータとして記録する)WindowsのTobii を想定  
  • 出席管理ツール
    アイトラキングと連携した出欠管理を行う。zoom等のWeb会議ツールの入退出ログとアイトラキングにより、出席管理を行うことを想定。
    ※入室後、音声・ビデオをオフの状態にすると離席等の把握できないため、アイトラッキング、テスト回答、入退出ログ等を併用して対応
  • 音声-テキスト変換ツール
    授業時の講師の音声をテキストに変換し、オンデマンドのビデオに挿入し復習や欠席者フォローに使用する。また、事業時のすべての会話をテキストに変換し、データとして蓄積する。(将来的にテキストマイニング等、解析を行う元データとする。本事業では解析までは実施しない)MS-word、googleドキュメント等を想定 
  • ホワイトボードツール
    グループワークの進行を支援するオンライン上のホワイトボード。議論の内容やアイデア等の書き出し等、通行のホワイトボードと同様に使用

時間数:
10時間程度(実施する遠隔授業実証講座の時間数)
※学科における講義科目全体の時間数 約36時間(2年課程の時間数)   
※授業実施方法の違いによる、学生モチベーションの変化を分析 また、授業以外での学生フォローの在り方も検討する。
※効果的な遠隔授業の方法を精査し、対面授業と変わりない教育効果を得られる遠隔授業の実施方法を学生の学習達成度等で分析する。

●グループワーク遠隔授業②(VR・MR・AR等を使用するグループワーク)

使用する機器:
学校側:パーソナルコンピュータ、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境
学生側:パーソナルコンピュータ(またはタブレットPC)、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境、(VRゴーグル)
※通信環境が十分でない学生は、学校の空き教室・Wi-fi環境を使用して受講

ソフトウェア:
Slack、VRSNS、VRSNSに対応したSDK等、リアルタイムMRアプリ等、他

導入範囲:
PBL等のグループワークの授業(本事業では情報処理の基礎科目から選択)
※システム開発のアイデアソン等の内容を想定
構築されたモデルは、教育課程で実施する他のグループワーク・ディスカッションの授業での検証を含め、導入・活用する

方法:
協力専門学校学生を対象に遠隔授業、対面授業それぞれで学習するグループに同一内容の授業を実施し、比較から教育効果等を検証する。
また、XRを使用しないグループ、使用するグループを比較し体感や参加意識等の効果を検証する。 

●グループワーク遠隔授業② 想定している方法

  • Webコミュニケーションツール
    資料配布、連絡「Slack」などを想定
  • VRSNS
    無料で使用できるVRSNS(メタバース)上に教室やグループワークで使用する場所を作成し、グループワーク授業を行う。Cluster、VRChet、spatial等を想定、リアルタイムARを利用して、自身をそのままメタバース上に再現できる仕組みの活用やアバターを各自の顔にすることで、現実感やコミュニケーションの円滑化を図る。
    基本的にすべてVRSNS上の機能を使用することを想定、録画・録音は画像編集ツール等を使用する予定(OBS Studio等を想定)

時間数:
1時間×10日 10時間程度(実施する遠隔授業実証講座の時間数)
※学科における講義科目全体の時間数 約36時間(2年課程の時間数)   
※授業実施方法の違いによる、学生モチベーションの変化を分析 また、授業以外での学生フォローの在り方も検討する。
※効果的な遠隔授業の方法を精査し、対面授業と変わりない教育効果を得られる遠隔授業の実施方法を学生の学習達成度等で分析する。

●実習室・相談室・休憩室等のスペースの確保

使用する機器:
学校側:パーソナルコンピュータ、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境、
学生側:パーソナルコンピュータ(またはタブレットPC)、Webカメラ、その他通信に必要な機材・環境、(VRゴーグル)
※通信環境が十分でない学生は、学校の空き教室・Wi-fi環境を使用して受講

ソフトウェア:
VRSNS、VRSNSに対応したSDK等、他

導入範囲:
授業時間以外の学生の状態(休憩中・自習中・教室に滞在・休憩室に滞在・ログアウト中・会話OK・会話NGなどをオンライン上にビジュアル的に表現し、学生間、学生教員間の雑談、情報交換、学習内容の相談、その他の相談等のコミュニケーションを促進する 
授業中以外にオンライン上に学生のいる場所を設計し、学生の帰属意識や学習意欲向上に活用する。

方法:
VRSNS上に教室・休憩室・自習室等を作成し、ログインしている学生がどこにいるかを把握できる仕組みを構築する
既存の無料または安価なサービスを利用すること想定(Cluster、VRChet、spatial、oasis等を想定)
※企業におけるリモートワークで社員間のコミュニケーション円滑化に効果のあった方法を参考に設計する   

(4) 具体的な取組

i)計画の全体像

【令和4年度】
●遠隔教育先端技術調査
 アンケート、ヒアリング、文献調査

●開発
 ■遠隔教育(基本編)導入モデル
 ・講義授業対象の遠隔授業モデル開発、・実習授業対象の遠隔授業モデル開発
 ・確認テスト開発
  ■VR空間(教室、グループワーク室、休憩室・実習室等)開発
  ※上記開発に加え、次年度に予定しているXR技術を活用した実習授業の実施方法について検討・協議する 
 ■ARアプリ開発     

●実証講座
 ■遠隔授業概要説明会(オリエンテーション)
  概要説明、使用ツールの操作説明、操作方法習得、遠隔コミュニケーション説明
  時期:9月  時間 10時間
  対象:遠隔授業実証講座に参加する学生 
 ■講義遠隔授業実証講座
  時期:10月  時間 10時間
  対象:専門学校学生 定員:20名(遠隔20名、対面20名)
 ■実習(個別)授業実証講座
  時期:11月  時間 3時間×2日間
  対象:専門学校学生 定員:20名(遠隔20名、対面20名)

●委員会
 ・実施委員会3回     ・遠隔教育導入モデル構築委員会 4回
 ・実証委員会4回     ・評価委員会 2回

遠隔授業と対面授業を比較して得られた知見を次年度の事業に活用する。

遠隔ツールの使用法や受講の仕方などの遠隔での授業参加に関する操作方法の習熟度等を検証し、ストレスなく操作が可能となる時間数、遠隔授業の受講回数等を計測して、遠隔教育導入の学生リテラシーとして取りまとめる。 

【令和5年度】
●開発
 ■遠隔教育(応用編)導入モデル
 ・Web会議システム等を使った実習(グループワーク)遠隔授業モデル開発
 ・XR技術を使った実習(グループワーク)遠隔授業モデル開発
 ■VR空間開発(アバター、オブジェクト、机・椅子、映像スクリーン、ホワイトボード等)
 ■MRアプリ(VR空間対応)開発

●実証講座
 ■非IT系専門学校を対象とした実証講座
  ①遠隔授業概要説明会(オリエンテーション)(令和4年実施の内容)
   概要説明、使用ツールの操作説明、操作方法習得、遠隔コミュニケーション
   時期:7月  時間 10時間
   対象:遠隔授業実証講座に参加する非IT系専門学校学生及び教員 

  ②講義遠隔授業実証講座
   時期:8月  時間 10時間
   対象:非IT系専門学校学生及び教員 定員:20名(遠隔20名)

 ■遠隔授業概要説明会(オリエンテーション)
  概要説明、使用ツールの操作説明、操作方法習得、遠隔コミュニケーション
  時期:8月  時間 10時間    対象:遠隔授業実証講座に参加する学生 
 ■講義遠隔授業実証講座
  時期:9月  時間 10時間    対象:専門学校学生 定員:20名(遠隔20名)
 ■実習(個別)授業実証講座
  時期:9月  時間 3時間×2日間 対象:専門学校学生 定員:20名(遠隔20名)
 ■遠隔授業概要説明会(オリエンテーション)
  概要説明、使用ツールの操作説明、操作方法習得、遠隔コミュニケーション説明
  時期:9月  時間 10時間
  対象:遠隔授業実証講座に参加する学生 
 ■実習(グループ実習)授業実証講座 
  時期:9月  時間 5時間×2日間
  対象:専門学校学生 定員:20名(遠隔20名、対面20名)
 ■実習(グループワーク)①実証講座 XR無
  時期:11月  時間 5時間×2日間
  対象:専門学校学生 定員:20名(遠隔20名、対面20名)
 ■実習(グループワーク)②実証講座 XRで実施
  時期:12月  時間 1時間×10日間
  対象:専門学校学生 定員:20名(遠隔20名、対面20名)

●委員会
 ・実施委員会3回      ・遠隔教育導入モデル構築委員会 4回
 ・実証委員会3回      ・評価委員会 2回

II)今年度の具体的活動

○実施事項
●調査
 調査名 :遠隔教育先端技術調査
 調査目的:遠隔教育に使用できる先端技術、デジタルツール、周辺機器等の種類及び、価格、機能等を調査し、本事業に最適なツールを選択する。
 調査対象:情報系専門学校 200校程度 ※遠隔教育に使用している先端技術・ツールについてアンケート調査
      リモートワークを実施している企業 10社程度 ※リモートワークにおける社員間のコミュニケーションの課題と解決するためのツールについてヒアリング調査
       ※遠隔教育に活用する以下のツールについてインターネットでの文献調査
        Web会議ツール、ボイスチャット、出席管理ツール、テスト配信システム、ARアプリ、リモートデスクトップ機能、
        オンライン実行環境、VR・MRプラットフォーム、Webコミュニケーションツール、センシングシステム、音声-テキスト変換ツール
 調査手法:アンケート、インタビュー、インターネットによる文献調査
 調査項目:遠隔教育に利用している先端技術・ツール、教育効果の高いと思われる実施方法、出欠の管理、学生フォローの方法、学生のモチベーション維持の工夫、遠隔授業の学生評価方法、リモートワークにおける社内コミュニケーションの課題とツールによる解決策、ツールの効果、先端ツールの機能、種類、コスト、実行環境、使用機材の種類とスペック
 分析内容:先端技術・ツールによる遠隔教育の利用方法、対面授業と遠隔授業の違いと教育効果及びコスト、先端技術・ツールの利用で解決できる課題、出欠の管理方法、学生評価方法、遠隔教育の課題、リモートワークの課題、リモートワークで効果のあるツール、リモートワークのコミュニケーション活性化の工夫 
 調査結果を成果にどのように反映するか:遠隔授業の実施方法、学生フォローの方法や実施事項、遠隔教育に利用する先端技術・ツールの選定、遠隔教育モデルの構築に活用する。
●開発
遠隔教育(基本編)導入モデル
 ・講義授業対象の遠隔授業モデル
講義中心の授業実施において、遠隔授業のモデルを解説する
利用する先端技術の解説と設定方法、利用方法、機材のスペック・OS、周辺機器、コスト等を解説。本書の内容で導入可能なモデルの解説書を目指す。
※利用を想定している先端ツール
Web会議ツール、ボイスチャット、センシング(遠隔授業中の学生の視線等)、出席管理ツール、テスト配信システム、リアルタイムARアプリ等
・実習(個別)授業対象の遠隔授業モデル
個人ごとの実習授業に対応した遠隔教育のモデルを解説する 
利用する先端技術の解説と設定方法、利用方法、機材のスペック・OS、周辺機器、コスト等を解説
※プログラミング実習遠隔授業の実施方法を想定
※利用を想定している先端ツール
Web会議ツール、ボイスチャット、リモートデスクトップ機能、オンライン実行環境(github、paiza.IO 等を想定)
・その他
休憩時間、雑談等のスペースの確保と利用ツール・方法及び効果について解説

●実証
 オリエンテーション:遠隔授業概要説明会 
    目的:実証講座に参加する学生に遠隔授業の概要を説明し、使用ツールの操作説明、操作方法の習得を行う。また、遠隔でのコミュニケーションについて解説する。
    対象:実証講座に参加する学生
    手法:実証で利用する遠隔授業に使用するツールについてすべて使用の仕方や操作方法を説明し、操作方法については、慣れるためある程度時間をかける。また、遠隔でのコミュニケーションの方法や注意すべきことの説明と、設置するオンライン上の教室・実習室・相談室・休憩室等の利用や学習・そ の他フォローについて説明する。
 ①実証名:講義遠隔授業実証講座
  目 的:先端技術を利用した講義中心の遠隔授業について、先端技術の使用方法・操作方法を整理するとともに、先端技術を使用した遠隔教育の効果を検証する。学習に係る学生フォロー等の機能やタイミングについて検証する。
  対 象:情報系専門学校学生 40人程度(遠隔授業 20名 対面授業 20名)
  手 法:学生を2グループに分けて、遠隔授業と対面授業で同一の授業を実施し、比較検証する。
  項 目:参加意識、質問のし易さ、学習意欲、分り易さ、画面の見易さ、声の聴き取り易さ、画面と音声のタイムラグ、授業の一体感、他の受講者とのコミュニケーション 
  分析方法:受講した学生のアンケート及び教育目標の達成度・理解度(テスト等で計測)を比較分析する。
獲得し得る知見:対面授業と遠隔授業の特徴と遠隔授業での課題と解決策、遠隔授業における学生フォローの内容と実施体制等。
  成果への反映方策:遠隔授業の実施方法、教育効果を高めるための工夫、遠隔授業の学生フォローの内容と実施体制。
 ②実証名:実習(個別)授業実証講座
  目 的:先端技術を利用した実習(個別)の指導について、先端技術の使用方法・操作方法を整理するとともに、先端技術を使用した遠隔教育の効果を検証する。学習に係る学生フォロー等の機能やタイミング、教員の負担等について検証する。
  対 象:情報系専門学校学生 24人程度(遠隔指導 12名 対面指導 12名)
  手 法:学生を2グループに分けて、遠隔指導と対面指導で実習授業を実施し、教育効果を比較、検証する。
  項 目:指導の時間、指導外の時間の指示や内容、分り易さ、質問のし易さ、理解不足の項目と学習のフォロー、学習意欲、ツールの操作、他の受講との会話  
  分析方法:受講した学生のアンケート及び教育目標の達成度(実習で行うプログラミングの理解度・確認の実習テストで計測)を比較分析する。
獲得し得る知見:対面指導と遠隔指導の特徴と課題及び解決策、遠隔指導における学生フォローの内容と実施体制等。先端技術・ツールの操作方法(教員の操作・学生の適応等)
  成果への反映方策:実習(個別)の遠隔授業の実施方法、先端技術の操作方法や学生の適応状況、学生の準備事項、教育効果の高い実施方法、学生フォローの内容と実施体制

●成果の普及
  ・実証の参加協力専門学校に継続的な取組みの実施を依頼する
  ・当会会員専門学校に実証結果を配布し、次年度以降の実証協力の依頼とともに、遠隔教育導入モデルの活用を促進する。
  ・遠隔授業に利用するツールやツールを用いた遠隔授業の実施方法を説明するためのセミナーや研修を行い、遠隔教育実施を促進する。
  ・成果報告会を開催し、専門学校、関係企業・団体に成果を周知するとともにYouTube等を利用し動画による情報提供を行い、成果の普及を図る。

●委員会
 ・実施委員会3回 
 ・遠隔教育導入モデル構築委員会 4回
 ・実証委員会 4回 
 ・評価委員会 2回 

 

○事業を推進する上で設置する会議 ※複数の会議を設置する場合には、欄を適宜追加して記載すること。

会議名①

実施委員会

目的・役割

事業方針策定、事業進捗管理、予算執行管理、課題の検討、各委員会進捗管理、成果の活用・普及、企業・団体との連携、新しい教育の在り方の検討

検討の

具体的内容

・事業方針策定     ・事業進捗管理    ・予算執行管理

・各委員会進捗管理  ・成果の活用・普及  ・企業・団体との連携 、

・課題の検討        ・遠隔教育導入モデルの検討と協議

・遠隔授業に使用する先端技術の検討と協議、選択

実施委員会の構成員(委員)

 

所属・職名

役割等

都道府県名

一般社団法人全国専門学校情報教育協会 

統括

東京都

日本工学院専門学校

授業実施協力

東京都

日本電子専門学校

授業実施・ガイド作成

東京都

専門学校中央情報大学校

先端技術活用・調査協力

群馬県

東北電子専門学校

ガイド作成・調査協力

宮城県

吉田学園情報ビジネス専門学校

モデル構築

北海道

名古屋工学院専門学校

調査・講座実施協力

愛知県

中野秀男研究所 

授業実施協力・助言

大阪府

株式会社ウチダ人材開発センタ

ガイド作成・調査協力

東京都

10

株式会社ユニバーサル・サポート・システムズ

検証・評価

大阪府

11

一般社団法人Rubyビジネス推進協議会 理事長

検証・評価・調査協力

大阪府

12

一般社団法人クラウド利用促進機構

検証・評価・調査協力

東京都

13

一般社団法人ソフトウェア協会

ガイド作成・調査協力

東京都

 

会議名②

遠隔教育導入モデル構築委員会

目的・役割

遠隔教育導入モデル構築方針検討・提案、学生フォロー体制構築、構築モデル仕様の検討、モデル作成業者選定、導入運用コスト検討、先端技術調査、遠隔教育課題調査、遠隔教育実施ガイド作成

検討の

具体的内容

・先端技術調査企画                ・遠隔教育課題調査

・遠隔教育導入モデル構築方針検討・提案、 ・学生フォロー体制構築

・構築モデル仕様の検討、            ・モデル作成業者選定、

・導入運用コスト検討               ・遠隔教育実施ガイド企画・設計

遠隔教育導入モデル構築委員会の構成員(委員)

 

所属・職名

役割等

都道府県名

吉田学園情報ビジネス専門学校

ガイド作成・調査

北海道

秋田コアビジネスカレッジ

調査

秋田県

日本工学院専門学校

ガイド作成・モデル構築

東京都

日本電子専門学校

モデル構築・ガイド作成

東京都

中国デザイン専門学校

調査

岡山県

麻生情報ビジネス専門学校

学生フォロー体制構築

福岡県

一般社団法人全国専門学校情報教育協会

導入運用・情報集約

東京都

 

会議名③

実証委員会

目的・役割

遠隔教育モデル検証、遠隔教育プログラム検証、実証講座実施、先端技術活用の検証

検討の

具体的内容

・実証講座実施、

・講義授業対象の遠隔授業モデル実証講座運用

・講義授業対象の遠隔授業モデルの検証

・講義授業対象の遠隔授業モデル課題の抽出から対策検討

・講義授業対象の遠隔授業モデルに使用する先端技術の検証

実証委員会の構成員(委員)

 

所属・職名

役割等

都道府県名

日本電子専門学校

実証講座実施

東京都

日本電子専門学校

実証講座実施

東京都

日本工学院専門学校

実証講座協力

東京都

名古屋工学院専門学校

実証講座協力

愛知県

トライデントコンピュータ専門学校

モデル検証

愛知県

横浜システム工学院専門学校

モデル検証

神奈川県

ECCコンピュータ専門学校

先端技術検証

大阪府

一般社団法人全国専門学校情報教育協会

講座企画運営・情報集約

東京都

 

会議名④

評価委員会

目的・役割

実証講座の結果検証と評価、KPI達成に応じた評価、事業の評価、評価基準の検討

検討の

具体的内容

・実証講座の結果検証と評価、

・KPI達成に応じた評価、

・事業の評価、

・評価基準の検討

・講義授業対象の遠隔授業モデル評価

評価委員会の構成員(委員)

 

所属・職名

役割等

都道府県名

一般社団法人全国専門学校情報教育協会 

評価基準の検討

事業評価

東京都

日本電子専門学校

KPI検討・評価

東京都

株式会社ユニバーサル・サポート・システムズ

結果の分析・検証

大阪府

株式会社ウチダ人材開発センタ

遠隔授業モデル評価

東京都

5

一般社団法人ソフトウェア協会

遠隔授業モデル評価

東京都

 

○事業を推進する上で実施する調査 ※複数の調査を設置する場合には、適宜追加して記載すること。

調査名

遠隔教育先端技術調査

調査目的

遠隔教育に使用できる先端技術、デジタルツール、周辺機器等の種類及び、価格、機能等を調査し、本事業に最適なツールを選択する。

調査対象

・情報系専門学校 200校程度 ※遠隔教育に使用している先端技術・ツールについてアンケート調査

・リモートワークを実施している企業 10社程度 ※リモートワークにおける社員間のコミュニケーションの課題と解決するためのツールについてヒアリング調査

※遠隔教育に活用する以下のツールについてインターネットでの文献調査

Web会議ツール、ボイスチャット、出席管理ツール、テスト配信システム、ARアプリ、リモートデスクトップ機能、オンライン実行環境、VR・MRプラットフォーム、Webコミュニケーションツール、センシングシステム、音声-テキスト変換ツール

調査手法

アンケート、インタビュー、インターネットによる文献調査

調査項目

遠隔教育に利用している先端技術・ツール、教育効果の高いと思われる実施方法、出欠の管理、学生フォローの方法、学生のモチベーション維持の工夫、遠隔授業の学生評価方法、リモートワークにおける社内コミュニケーションの課題とツールによる解決策、ツールの効果、先端ツールの機能、種類、コスト、実行環境、使用機材の種類とスペック

分析内容

(集計項目)

先端技術・ツールによる遠隔教育の利用方法、対面授業と遠隔授業の違いと教育効果及びコスト、先端技術・ツールの利用で解決できる課題、出欠の管理方法、学生評価方法、遠隔教育の課題、リモートワークの課題、リモートワークで効果のあるツール、リモートワークのコミュニケーション活性化の工夫 

開発する

カリキュラムにどのように反映するか

(活用手法)

遠隔授業の実施方法、学生フォローの方法や実施事項、遠隔教育に利用する先端技術・ツールの選定、遠隔教育モデルの構築に活用する。

コストの分析から学校運営としての持続可能なモデル構築に活用する。

○開発に際して実施する実証講座の概要 

実証講座

の対象者

情報系専門学校学生 40人程度(遠隔授業 20名 対面授業 20名)

期間

(日数・コマ数)

①オリエンテーション 時期:9月  2時間×5日(10時間)

②講義遠隔授業実証講座 時期:10月  2時間×5日(10時間)

③実習(個別)授業実証講座 時期:11月  3時間×2日間

実施手法

①オリエンテーション:遠隔授業

②講義遠隔授業実証講座 遠隔授業と対面授業に受講者を分けて実施

③実習(個別)授業実証講座 遠隔授業と対面授業に受講者を分けて実施

想定される

受講者数

①40人程度(遠隔授業 40名)

②40人程度(遠隔授業 20名 対面授業 20名)

③40人程度(遠隔授業 20名 対面授業 20名)

 

Ⅲ)遠隔教育導入に係る教育効果・コストの検証について

●遠隔教育導入の教育効果の検証
 ■実証講座の受講者からの評価
 対面授業との達成度や学習時間等を比較し、教育目標に到達している学生の割合で効果を検証する。
 ①実証講座受講者から以下項目について、リッカートスケールに基づく5 段階評価で遠隔授業の評価を行う。
  画面の見易さ、声の聴取り易さ、画面と音声のタイムラグ、参加意識、質問のし易さ、学習意欲の醸成、総合的な分り易さ等、各項目の評価と対面授業を比較し教育効果を分析する。
 ②実証授業受講者に確認テストを行い、その結果から教育目標に対する達成度を計測し、対面授業受講者の結果との比較により、知識の定着や遠隔授業の方法、進め方による教育効果を分析する。
 ■企業、業界団体等、第3者(有識者・専門学校教員等)からの評価
 評価委員会が企業、業界団体等、第3者(有識者・専門学校教員等)から評価者を選定(3名から5名程度)し、以下項目の評価を依頼する。
 ①遠隔教育導入モデルの評価を以下項目で評価する。
 使用する先端ツールと使用方法・質問のし易さ、受講者相互での会話や学習支援状況(受講中の受講者同士の会話)、運営のスムーズさを分析・評価する
 ②遠隔教育に関する評価
 ・実証授業受講者の評価分析結果をもとに遠隔授業の有効性を評価する
 ・企業の実施するテレワークでの社員コミュニケーションやフォローと比較し、遠隔教育で実施する学生フォロー、コミュニケーションについて、不足や注意点、など実施方法の評価をする
 ・実証授業をもとに、ネットワーク上のコミュニケーションや情報の受信ができているか評価する 
 ■遠隔授業導入に関する評価
 ①本事業の協力専門学校における成果の活用学校数で評価する。
 ②当会会員校で遠隔教育導入を実施、検討する学校数で評価する。
●遠隔教育を導入のコストの検証
 ・必要設備・備品
 ・準備に係る費用(教材作成や教員の授業準備時間数等も考慮する)、
 ・授業実施段階の費用(教員負担を考慮する)
 ・運用のコスト(使用先端ツールのコスト、PC等の保守メンテナンス料、通信にかかわるコスト等)
 ・授業時間数(対面と遠隔の同一内容の授業にかかる時間を比較する)
 ・遠隔で個別指導が必要な場合や問合せ対応の時間を考慮する
上記ポイントで対面と遠隔の授業の違いを比較し、遠隔教育を継続するためのコストを分析、検証する。    

(5) 事業実施に伴うアウトプット(成果物)

【令和4年度】
■調査報告書
遠隔教育に使用できる先端技術、デジタルツール、必要な周辺機器等の種類、価格、実現できる内容等を調査し、本事業に最適なツールを選択する。
遠隔教育実施(講義授業編)ガイド
・講義授業対象の遠隔授業モデルを説明したもの
講義中心の授業実施において、遠隔教育に利用する先端技術の解説と利用方法、機材、コスト等の解説。本書の内容で導入可能なレベルの解説書を目指す。
・具体的な遠隔教育導入モデル
 ①ボイスチャットツールの使用で1対1や特定の受講者(または、複数の受講者)へ発話が可能となり、マイクのオンオフの操作や発話のタイミングのぎこちなさが解消されるとともに、授業中に講師へ質問するほどでもないが確認したい事項等を同時に受講している友人等に質問できる状態を作ることが出来る。
 ②ARアプリにより、講師や説明に必要なものなどが自宅や講座を視聴している場所に存在するように演出することにより、空間の非共有、距離感や物理的接触欠如、存在感の欠如等の課題を解決する。
 ③アイトラキングツール・出席管理システムの連携により、教員の出欠管理業務の軽減をする。Webコミュニケーションツールの導入により、連絡ミスや連絡漏れを無くし、教員の業務を支援する。音声-テキスト変換ツールにより、ライブ授業の終了後、字幕やまとめ業務の軽減、欠席者フォロー業務の支援をする。
 ④音声-テキスト変換ツールにより収集された音声データを見ることで、授業の内容や学生の疑問等の解消に活用するとともに、データを蓄積し、ある程度のデータ量になった時点でAI分析することにより、授業の改善に活用する。
※利用を想定している先端ツール
Web会議ツール、ボイスチャット、センシング(遠隔授業中の学生の視線等)、出席管理ツール、テスト配信システム、リアルタイムARアプリ等
遠隔教育実施(実習(個人)編)ガイド
・実習(個別)授業対象の遠隔授業モデルを説明したもの
個人ごとの実習授業に対応した遠隔教育の方法と利用する先端技術の説明および授業実施方法、機材、コスト等の解説
・具体的な遠隔教育導入モデル
上記 遠隔教育(基本編)導入モデルの①~④に加え、以下モデルを構築する。
 ⑤リモートデスクトップ機能の利用により、講師が遠隔にいる学生のPCを直接操作することで、講師によるプログラムのミスの指摘や修正が可能となり、教室で個別指導と同等の状態となる。遠隔での個別指導が可能となる。
 ⑥オンライン上の開発プラットフォームを利用することにより、遠隔にある各自のPCの設定にかかわりなく共通の開発環境が提供できるとともに、実習等で作成したプログラムの作動確認、動作テストが出来るようになる。
※プログラミング実習遠隔授業の実施方法を想定
※利用を想定している先端ツール
Web会議ツール、ボイスチャット、リモートデスクトップ機能、オンライン実行環境(github、paiza.IO 等を想定)
・その他
休憩時間、雑談等のスペースの確保と利用ツール・方法及び効果について解説
■遠隔教育実施資料集
・本事業の遠隔授業実証に使用した資料等を取りまとめた資料集
※データでの配布も行う。

●成果物
遠隔教育実施(講義授業編)ガイド
遠隔教育実施(実習(個人)編)ガイド
遠隔教育資料集(DVD)

【令和5年度】
遠隔教育(応用編)導入ガイド
・実習(グループ)授業対象の遠隔授業モデルを説明したもの
複数のメンバー作業を行う実習授業に対応した遠隔教育の方法と利用する先端技術の説明および授業実施方法、機材、コスト等の解説
・具体的な遠隔教育導入モデル
前述 遠隔教育(基本編)導入モデルの①~⑥に加え、以下モデルを構築する。
 ⑦グループごとに議論できる場の設定(ブレイクアウトルーム等の活用)をして、メンバーの発言を促すとともに、ホワイトボードツール等で議論の情報のまとめと共有を図る仕組みを構築する。
 ⑧ARアプリにより、グループメンバーが自宅や視聴している場所に存在するような演出をして参加意識の向上を図る。
 ⑨音声-テキスト変換ツールにより、リアルタイムで学生の発言を講師がモニターできるようにして、議論の進捗や状況を把握し適切な支援を可能にする。
※プログラミング実習遠隔授業の実施方法を想定
※利用を想定している先端ツール
リアルタイムARツール(アプリ)、出席管理ツール、Web会議ツール、ボイスチャット、リモートデスクトップ機能、オンライン実行環境(github、paiza.IO 等を想定)
・グループワーク対象の遠隔授業モデル
グループワーク授業(主にアイデアソンを想定)の遠隔教育の方法と利用する先端技術の説明および授業実施方法、機材、コスト等の解説
・具体的な遠隔教育導入モデル
これまで利用してきたツールに代わり、VR空間を利用することで、空間の共有、疑似的な接触、存在感等を演出することで、臨場感や授業への参加意識が向上し、高い学習効果が期待できる。
※VR・MRプラットフォーム(VRSNS等、VRSNS対応SDK)、ARアプリ、Webコミュニケーションツール(Slack 等)、音声-テキスト変換ツール、ボイスチャット、出席管理ツール等
■遠隔教育実施資料集
・本事業の遠隔授業実証に使用した資料等を取りまとめた資料集
※データでの配布も行う。

●成果物
遠隔教育(応用編)導入ガイド
遠隔教育資料集(DVD)    

 

(6) 事業実施によって達成する成果及び測定指標

 

KPI(成果測定指標)

 

単位

事 業

開始前

令 和

4年度

令 和

5年度

遠隔授業受講者と対面授業受講者の学習達成度の差を5%以内にする

目標値

5%以内

0

 

実績値

 

 

 

 

 

達成度

 

 

 

 

(上記KPIを採用した理由)

質を落とすことなく、教育の機会を提供するための実証であるので、達成度を基準に比較することが適切を考えられるから

 

KPI(成果測定指標)

 

単位

事 業

開始前

令 和

4年度

令 和

5年度

遠隔授業実証講座受講者の肯定的評価の率

目標値

80

以上

90

以上

 

実績値

 

 

 

 

 

達成度

 

 

 

 

(上記KPIを採用した理由)

受講者の満足度やわかりやすさなどは、学習するモチベーションにかかわる重要な事項であるから

 

 

KPI(成果測定指標)

 

単位

事 業

開始前

令 和

4年度

令 和

5年度

実証講座参加専門学校数

目標値

5

10

 

実績値

 

 

 

 

 

達成度

 

 

 

 

(上記KPIを採用した理由)

遠隔教育導入モデルの普及や活用、専門学校での利用にかかわる指標となるため

 

 

KPI(成果測定指標)

 

単位

事 業

開始前

令 和

4年度

令 和

5年度

本事業の遠隔教育導入モデルを利用する専門学校数

目標値

3

8

 

実績値

 

 

 

 

 

達成度

 

 

 

 

(上記KPIを採用した理由)

本事業の成果の普及・活用は重要な指標であるため

 

 

KPI(成果測定指標)

 

単位

事 業

開始前

令 和

4年度

令 和

5年度

構築する遠隔教育導入モデル数

目標値

3

2

 

実績値

 

 

 

 

 

達成度

 

 

 

 

(上記KPIを採用した理由)

本事業の活動指標として適切であるから

 

 

KPI(成果測定指標)

 

単位

事 業

開始前

令 和

4年度

令 和

5年度

教員の負担の増加率

目標値

10%

以内

5%

以内

 

実績値

 

 

 

 

 

達成度

 

 

 

 

(上記KPIを採用した理由)

教員の負担が大きいと継続が難しいため、通常の授業と変わりない業務量が望ましい

 

 

KPI(成果測定指標)

 

単位

事 業

開始前

令 和

4年度

令 和

5年度

企業からの遠隔教育導入モデルの肯定的評価の率

目標値

80

以上

80

以上

 

実績値

 

 

 

 

 

達成度

 

 

 

 

(上記KPIを採用した理由)

企業の評価が高いと、導入する専門学校の増加が見込めるため、また、企業研修等への本事業の成果の活用が期待できるから

 

(7) 本事業終了後※の成果の活用方針・手法

●成果の活用
・本事業で開発した教育カリキュラム・プログラムは、当会会員専門学校の特別授業や正規課程のプログラムとして活用を促進する。
・研修会や説明会等の啓発活動を通して、本事業の調査結果・開発した教育カリキュラム・プログラムについて、これからの教育への必要性を解説し、専門学校教育への導入を促進する。
・事業の実証結果や導入・実施した専門学校の事例等を紹介し、活用を促進する。
※本会の会員専門学校68校を主な対象として活用を推進する。

●横展開
・本事業で開発した教育カリキュラム・プログラムのIT分野以外に活用できる領域・範囲を非IT分野の専門学校に紹介し、導入・活用を推進する。 
・非IT系専門学校の教育カリキュラム・プログラムの導入について、教員研修会等を通して教員育成を支援する。
※本会の会員 非IT系専門学校14校を主な対象として、活用を推進する。また、会員IT系専門学校の連鎖校・姉妹校等にも展開する。
・本事業参加の企業・企業団体及び専門学校の求人企業等を通して、本事業の成果を企業のリモートワークや社員のオンライン研修会等への活用を促進する。

●フォローアップ体制・方法
・本事業成果等の普及・活用促進について担当する委員会を本会に設置し、事業の終了後も活動を継続的に実施する体制を整備する。
・本事業で利用する遠隔授業ツールの利用方法などを解説する遠隔授業説明会等を通して、教員のツール利用スキルの向上を支援する。
・本事業で利用するメタバース上のワールド等は専門学校関係者に公開し、試用の機会を提供する。また、VR・ARを利用した研修会を企画し、受講体験を通して、導入・利用の支援をする。

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